我慢汁

ニートだって色々思ってる

人生このままでは駄目だと思っても何をしていいのか分からん

うどんを食べにでかけた。

おそらく広島のチェーン店じゃろう。

 

うどんは上手かったがワシの心は沈んどる。

 

店員がワシには笑顔を見せん。

それはもう慣れっこじゃ。

普通の人なら腹を立てることでもワシは平気。

 

 

それよりも店の外にある噴水で遊んでいる子供に目がいった。

 

別にワシはロリコンじゃない。

ストライクゾーンは広いが二十歳からじゃ。

ちなみに上限は50まではいける。シワもぐれじゃなければ60代も可。

 

選挙カーのやかましい声の中、楽しそうに子供が遊んどる。

噴水の周りをグルグル回って笑顔を振りまいとるんじゃ。

 

その視線の先には禿げた優しそうなじじいがおる。

じじいも嬉しそうじゃ。

 

 

何じゃろこの気持ち。

ワシは胸が締め付けられる。

 

ギュッとなる。

心臓がつかまれているような、ヘルスでババアが出てきたような

そんな何とも言えん苦しさが襲いかかる。

 

これはワシの劣等感からじゃろう。

突出した才能もなければ誇れることもない。

 

日陰を歩いてきたワシは自慢できるものといったら、ズリセンこいた時の飛距離くらいじゃが、それも年々衰えてきとる。

 

 

もう手遅れなんじゃないかとも思っとる。

認めたくはないが気がつくのが遅すぎたんじゃ。

 

若いもんに言いたい。

ワシと同じになれ。一緒に苦しんでくれ。

これが本心じゃ。

 

ほいじゃがどうせワシとは会わんじゃろうから教えといてやる。

若いうちの1年は歳とってからの10年分の価値がある。

 

それは可能性が広がるけえじゃ。

ワシが今死ぬほど努力したところでたかがしれとる。

 

でも同じ努力を若いときに

部屋に引きこもっとるときに

世間が怖かったときに

誰とも話をしたくなかったときに

朝まで耐久ズリセンとかしとったときに

エスカレーターでパンチラが見たくて往復しとったときに

ヘルス嬢の写メ日記を読みあさっとったときに

そんな時に努力をすることができたら、今のワシはもう少しましじゃった。

 

遅いとは分かるが今努力をはじめれば5年後は少しはましになるじゃろう。

じゃけど若いときに努力したやつには勝てん

飛距離以外は勝てんのじゃ。

 

 

飛距離を出す事も才能じゃと思う。

人より多くズリセンをこくことや、強制的な禁欲はワシをトップアスリートにしたんじゃろう。

 

ゴルフで松山が飛ばす。

野球で鈴木が飛ばす。

ズリセンでワシが飛ばす。

 

どれもこれも長年の努力と神に選ばれし才能のお陰じゃが

この差はどういうことじゃろう?

同じ飛ばす才能を持っとるはずなのに、精子か玉コロかの違いで天と地ほどの開きがある。

 

やはり成功するには運も必要なんじゃろう。

ワシは才能の選択ミスをしたんじゃろう。

 

ゴルフや野球の玉コロのない石器時代なら、明らかにわしのほうがタレントせいがある。

ワシの飛ばしとるもんは時代が変われど無くならん普遍的なものだから。

 

しかし現代ではその価値は低く見積もられる。

たかだか100年の間に生まれたひよっこスポーツに遅れをとることになるんじゃ。

 

 

ワシのこの才能を生かすには汁男優くらいしかないじゃろうけど

勢いがありすぎて女優に、痛い!言われそうじゃ。

アザにでもなったら大事じゃ。

 

あんならの商売は見てくれも大切じゃから

アザでも作る勢いで出そうもんなら、ワシは失職してしまうじゃろう。

 

結局何をやっても裏目に出る気がして何をしていいのか分からん。

このままでは人生駄目だと分かっていても、何をすればいいのかが分からんのじゃ。

 

どうなりたいか!

そんな姿もイメージができん。

 

ワシが背広をきてポルシェなんかに乗って、助手席のタレにちょっかいだしながらロイヤルホストに行く。

 

そんな事は可能なんじゃろか?

 

ここからどんな道を歩めばそうなるんか

もう行き止まりなのは理解しとるが、なんとか脇道はないじゃろうかと探すんじゃ。

 

こんな話を読んだもんは、こうはなりとうないと思うじゃろう。

でもワシは待っとるで。

 

お前らもワシと同じ道を歩んでくるのを。

 

先駆者のワシが歩んだ道をお前らは安心して歩いてこい。

 

そんな呪いをかけながら書いておる。